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『絶景ノート』──最果タヒと根っこは同じ思想(★★★) [Book]

『絶景ノート』(岡本啓著、2017年8月3日、思潮社刊)

 

 著者の手になる装丁も、旅のノートのように、「走り書き」がデザインされ、内容も、旅のなかで出会った「絶景」からインスパイアされた言葉たちと見た。いいなー、青春って。なにより言葉が新鮮である。「おとなたち」は、それに痺れて、(萩原朔太郎)賞をあげたのだと思う。しかし、果たして「おとな」は、感心はできても満足はできるのか? 国内を青春18切符でまわった著者が、格安航空を使って東南アジアの国々に、三週間(?)ほど旅した。そのとき、できた詩群である。貧しい風景にも感動し、「ぼくたち」の未来や過去に思いをはせる。ここには、「ぼくたち」しかいず、語りかけるのは、同世代か、あるいはそれより年下の世代である。

 多くの年寄りは、もうわしらには書けんのーと諦めるのか? ある意味、汚らしい老人など切り捨てられているというか、捨象されている。「意匠」は異なるが、読み進んでいくと、今売れっ子の、最果タヒとまったく同じ思想であることに思い至らされる。

 私はむしろ、あらゆるものに、老残を見る、ベケットの詩群が恋しくなる。

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