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村上春樹著『騎士団長殺し 第1部顕れるイデア編』『第2部 遷ろうメタファー編』──読まずにすませたい読者のために(笑)(★★) [小説]

村上春樹著『騎士団長殺し 第1部顕れるイデア編』『第2部 遷ろうメタファー編』──読まずにすませたい読者のために(笑)(★★)

 

『騎士団長殺し 第1部顕れるイデア編』『第2部 遷ろうメタファー編』(村上春樹著、2017年、新潮社刊)

 

「今回も」、この思わせぶりっこの題名と、目次のせいで、買ってしまいました(爆)。というか、も〜べつの楽しみがあるんですね。いかに「偉大でないか」を探るために。まず、本作、「このミステリーがすごい!」みたいなエンタメ系の賞に応募したら、1次落ちかと思われます。だいたい、「広義の」ミステリーにすらなっていません。まず、この「騎士団長」というのは、十字軍関係かな〜と思ったけど、「歴史」は、この人のレパートリーにはなくて、これは、モーツァルトのオペラ『ドン・ジョンバンニ』からの借用です。そして、ある老画家が、こういう題名の絵を描き、それが、たまたま、主人公が借りたアトリエの屋根裏にあるんです。そして、この騎士団長(身長六〇センチほど)が絵の中から登場し、「自分はイデアが形を取ったものである」なんてぬかす。

 副題の「顕れるイデア編」というのは、なんのことはない、そういうことです。

 

 第二部、「遷ろうメタファー編」は、そうお察しのとおり、絵の中から出てきた、「顔なが」と呼ばれる人物(身長七〇センチ)が、自分は、「ただのメタファーが形を取ったものである」と主張。そんだけのこと。

 

 あと、女がいろいろ出てきて、毎度のように、すぐにセックスしたりします。まさか、13歳の少女とはやらないだろうな、と、祈りのような気持ちをもって読み進むと、これは、ご安心ください、手は出してません(爆)。でも精神的にはやってると思う。でも、「ロリータ」書くほどの才も度胸もなし(笑)。

 

 この小説は、おそらく、「第三部」「第四部」ノノと、いくらでも続いていく可能性はすでにはらんでいます。というか、こういう書き方だと、どんどん続けていけるんです。

 

 ドストエフスキーもカフカも、生存ぎりぎりの人間を描いています。しかし、村上春樹の登場人物は、今回だと、肖像画家ですが、いとも簡単に仕事はやってきて(キャンバスの大きさを1メートルラ1.5メートルとか、数字で言うかな? F50とかのサイズが自然に出てくるんじゃないかな? 画家なら。っていうリアリティの問題は、「ないものねだり」なので、棚上げ)、あまり生活に困っているふうでもなく、だから、つまらん妄想に肝を冷やしたり、できるんです(笑)。車の種類と登場人物の服装は、やけに詳しく書かれている。ヘンリー・ジェームズは、人物の名前、職業、など、すべて省いても、リアルで怖い小説を書いているのであるが。

 

 ま〜、渡辺淳一が書いたラノベというかノノ。★はひとつでもいいんですが、(Amazonで)二つがなかったので、二つにしました(笑)。

 

 件の老画家のオーストリア留学時代の恋人がナチに殺されたとか、弟が南京で、中国人を「殺させられて」心に傷を受け自殺(村上春樹のキーワードのひとつですが)したり、いろいろ、あたかも「歴史に抵触したかのような」エピソードは出てきますが、それは、あくまで、「ファッション」ね〜(笑)。

 

 毎度、こんな作品しか書けないのは、本人、まったく勉強していなくて、人の小説も読んでなくて、しかも、外部と接触を断っている、まつり上げられて特別の場所にいるからではないかと思われます(合掌)。いくら億万長者でも、ビル・ゲイツなどは、こんなことはまったくないのですが。

 

 一般読者のシュミにはなんとも言えないけど、こんな小説を絶賛「しなければならない」評論家諸氏には、心底ご同情申し上げます。

 

 


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オンライン小説「道長通夜」 [小説]

オンライン小説『道長通夜』


 


 


  あわひ けはひ ひはゐ


  あわわ わはは どはは


  きゅうちゅうに がうたう はひり


  にょぼうたちは まるはだか


  しょうがつにきるきもの ないので


  おかみからあたらしいのたまはった 


  でも あかはきんじき あかはまだだめ


  それは──


 


 


 川流れル、女郎花とお見合いと紅葉の茂みを過ぎ、つちみかどどののしきちない、読経と度胸と、一条天皇と一条さゆりと新嘗祭のムシロ内でむしろいい気になって、お供たちは居眠り今はもう秋〜♪の寛弘二年、菅官房長官まだ気配なしの左大臣藤原道長の娘にして一条天皇中宮いずれの御時の彰子少子化に抗して妊娠無事実家にて出産あいなるわたくし式部は十人の坊さんたちのお経のリレーを聞きながら船漕ぐ竜宮城なり鯛やヒラメのおつくりなど並べられ一本つけてぐい〜っといい気持ちなのら。


 つまりあれですのよ、道長ってほとんど養子みたいなもので実際この邸もわらわのものなのじゃ。と、夫人道長正室藤原紀倫子藤原紀香となんのカンケイもない数え年四十五才はヒラリー・クリントンに対抗するつもりも無理無理のまだ若いおばあちゃん。


 なんかやるせないわ、ローマ皇帝アウグストゥス、ティベリウス、ガイウス、クラウディウス、ネロ……トラヤスヌス、ハドリアヌス、アントニヌス、マルクス・アウレリウス、ルキウス、コモドゥス、並べてみても「平安時代」が終わるわけでなし、とにかく三百五十年くらいこんな状態が続くなんて絶望×無限大はベン・ケーシー。ケーシー高峰死して久しく夏みかんの肌のこんなことでわ池ない(実際はあるわけだけど)と中沢新一茶色くなった田邊元全集でも開いてみる──。


 


 田邊「カントからヘーゲルへの哲学的発展は、いふまでもなくフィヒテとシェリングを間に挟む」


 


 式部「まだまだあるでしょ〜。フランクリン、ジェファソン、ハミルトン、マディソン、トクヴィル、バーク、マルサス、オウエン、サン・シモン、フーリエ……とか」


 


 田邊「併し自我の具體化に對する媒介としての非我は、自我の否定契機としてそれ自身の自立性をもたなければならぬことは明である」


 


 式部「自我? そんなもん、この時代にはおまへんのよ。といってもわたくしの日記は自我のてんこもりですけどぉ〜」


 


 田邊「文化は一般に傳統承受と個性撥揮との綜合として成立する」


 


 式部「たしか、T.S.エリオットもそんなこと言ってましたわね」


 


 田邊「これこれ、そこの女人。これはすべての前提ですぞ。だれそれがって、ここは誰でも、まっとうな人間なら共通認識であるぞよ。私は、これから『正法眼蔵の哲学私観』を語るんであって」


 


 式部「それは、この通夜をすませてからのことね」


 


 田邊「えつ? どなたの通夜ですか?」


 


 式部「ふつふつふつ──。それはレキシを見てのおたのしみ」


 


 「糖尿病」にてお亡くなりになったらしい殿。イヤなパワハラセクハラオトコ。私にあれを書けと命じ、しかも私の部屋に忍び込んで途中を盗み読み。ゆ・る・せ〜ん。「平安時代」にはプライバシーの「ぷ」の字もないんです。女房の居室たって、廊下に屋根がついた程度のもんです。寒いんです、冬わ。暑いんです、夏わ。しかも、このへんな装束。シャワーもなけりゃ化粧室もなく、それでも「愛の歌」なんか作らないといけないんです。で、遣り水のやうに安産祈願の僧たちの度胸ながれ秋は来ぬめり。てなてなもんやてなもんや。


 


(つづく)


 


「本店」へのご案内(「おまとめ」はこちらに↓)


http://www.mars.dti.ne.jp/~rukibo/index.html


 


 


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